“がん”は、日本人の死亡原因第1位です。家族や友人、知人にがん経験者がいる人も多いと思います。周囲にがん経験者がいない人も、まったく他人事ではすまないのがこの病気です。
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現在のがん検診は、費用も時間も労力もけっこうかかるのが実情です。
日立製作所・住商ファーマインターナショナルと住友商事は、がん患者の尿を簡単に識別する方法に成功しました。研究では、健常者・乳がん患者と大腸がん患者の尿検体各15検体を対象に、尿代謝物の詳細解析を行いました。各検体から1,300以上の糖や脂質などの代謝物を検出し、そこからがん患者の尿を識別するバイオマーカー候補となる物質を約10個絞り込んみました。このバイオマーカーをさらに解析したところ、成分の含有量の違いから、健常者とがん患者の尿を識別することができたのです。

実用化までは、しばらく時間がかかりそうですが、病院に行かずに自宅で採取した尿を郵送してがん検診を受けられれば、多くの人が手軽にがんを早期発見できるようになるはずです。